「あの人は能力がない」という思い込み
工場改善サービスの田代です。
先日、ある経営者の方とご飯を食べました。今年からお付き合いの始まった方です。その席で、こう言っていただきました。
「会社でトラブルがあると、”田代さんならどう考えるかな”って、つい考えるんですよ」。
正直、とてもありがたい言葉でした。そして同時に、あることに気づかされました。
期待と現場のギャップは、3つでできている
経営者の皆さんには、「工場の人たちがもっとこうしてくれたら」という思いがあるはずです。その期待と、実際の現場との間にあるギャップ。これは、大きく3つの要素に分けられます。
- スキルがあるかどうか
- 行動する勇気があるか、実際に動いているか
- そして、その人の信条
多くの場合、私たちは1つ目の「スキル」だけを見て、「あの人は能力が足りない」と結論づけてしまいます。けれど、本当のボトルネックは、3つ目にあることが少なくありません。
信条は、変えられる
信条というのは、その人が心の奥で信じていることです。「物事は必ずうまくいく」「変化は良いことだ」「成長していく自分に価値がある」。そういう、行動の土台になる考え方のことです。
そして、信条は変えられます。
私自身がそうでした。会社員の頃は、正直、ネガティブなところもありました。まして、自分が誰かに影響を与えるなんて、考えもしなかった。それが起業して3年、行動を続けてきた今、「田代さんならどう考えるか」とまで言っていただけるようになった。信条は、後から変わるのです。
変えるのではなく、変わる環境をつくる
では、どうすれば従業員の信条は変わるのか。
ここが肝心です。無理やり、強制的に変えさせることはできません。
人の信条は、命令で書き換わるものではないからです。できるのは、その人が自ずと変わっていく「環境」をつくること。経営者に求められるのは、まさにそこです。そしてそのために、まず経営者自身が行動して見せることです。
私がひたすら「工場の中のものを減らす」ことをお伝えしているのも、突き詰めれば同じです。ものを減らせば、人は考える余白を持ち、動ける現場になり、そして少しずつ信条が変わっていく。人が育つ工場経営とは、そういうことだと思っています。
あなたが「あの人は変わらない」と感じるその相手。足りないのは本当にスキルでしょうか。それとも、その人が変わっていける環境を、まだ渡せていないだけでしょうか。
