ご相談いただいた会社について

業種:クリーニング工場
所在地:愛知
年商:  10億未満
従業員数:10名

社長の悩み

「工場が狭い、作業が追いつかない、でも何から手をつければいいかわからない。」

受注が増える一方で、工場内は衣類のカゴがあふれ、台車が通れない状態が続いていた。作業者が移動するたびに物をよけなければならず、1日の大半を段取りと移動に費やしていた。

改善したい気持ちはあっても、日々の業務に追われ、根本的な手が打てていなかった。

弊社が目指した姿

後工程(仕上げ・梱包・出荷)の引き取りに合わせた生産の流れをつくることを目指した。

まず工場内を整理整頓し、「見える」状態をつくってから、生産の仕組みを変える順番で進めた。

現場を見て、気づいたこと

工場内があふれていた原因は、前工程が後工程の状況を無視して洗いをどんどん進める「押し込み生産」にあった。

前工程が処理できるだけ洗い続けるため、仕上げ工程の前に衣類のカゴが積み上がる。カゴがスペースを占有するため、台車が通れなくなり、作業者の動線が遮断される。その結果、さらに作業効率が下がるという悪循環が続いていた。

工夫したポイント

ポイントは、後工程起点に生産の流れを切り替えることだった。

「前工程が作れるだけ作る」から「後工程が必要とする分だけ作る」へ。この発想の転換が、工場内のスペース問題と作業効率の両方を同時に解決することにつながった。

実施した改善

改善①:1S(整理)の徹底

まず工場内の不要物を徹底的に整理。使っていない備品・滞留している仕掛品・行き場のない物をすべて洗い出し、工場内の見通しを確保した。「工場の景色が変わった」と社長が表現するほどの変化が生まれた。

改善②:後工程起点の生産ルールの設定

仕上げ・梱包工程の処理能力に合わせて、前工程(洗い)の投入量を制限するルールを設定。カゴの滞留が解消され、台車がスーッと通れる通路が確保された。

改善③:パートを巻き込んだ改善活動

改善の内容と狙いをパートの方々に丁寧に説明し、現場主導で維持できる体制をつくった。ルールが定着するにつれ、パートの方々が自分たちで「ここも直せる」と声を上げるようになった。

改善効果

  • 台車が通れる通路を確保(工場内の動線が改善)
  • 仕掛品のカゴ滞留が解消
  • 作業者の移動・段取り時間が大幅に削減
  • パートの方々が主体的に改善活動に参加するように

社長からいただいた声

パートの方々が多いので、理論を言ってもわかってもらえないことがあるけど、今回は実際に現場で実演してもらったので、理解が進んだ。何より女性たちが働きやすくなったと言っている。

量の取れる仕事は増えてきているので、今後はより選ばれる商品づくりに取り組んでいきたい。人は足りないのではなく、つくりだすもの。とても勉強になった。