管理を増やしても、儲からない――「無くせないか?」から考える現場改善

生産管理や品質管理の相談をよく受ける。

「もっと良いデータを取りたい」「生産管理の精度を上げたい」「良いシステムはないか」

そのたびに、私が必ず立ち返る問いがある。


管理は、コストである

ラーメン屋で、ちぢれ麺とストレート麺を間違えないようにバーコード管理したとしよう。

オペレーションはきれいになるかもしれない。でも、お客さんはそのために高いお金を払ってはくれない。

管理を増やしても、売上は上がらない。

精度を上げるほど、手間も費用もかかる。それは会社の利益を削る行為でもある。


だから、まず「無くせないか?」と問う

相談を受けたとき、私がまず考えるのはシステムの選定でも、データの取り方でもない。

「そもそも、この管理は無くせないか?」

たとえば、こんな視点で現場を見直してみてほしい。

自分の結果が自分でわかる仕組みにする 作業者が自分でアウトプットを確認できれば、後工程での余分な検査はいらなくなる。

ラインを小さく分ける 管理の責任範囲を小さくして明確にすれば、現場が自分で生産管理できるようになる。

工程を近づける 離れた工程を物理的に近づければ、顔が見える距離でやり取りができる。伝言ゲームのような管理は、そもそも必要なくなる。


管理の精度を上げる前に、構造を疑う

「管理が必要になった」のには、必ず理由がある。工程が離れすぎている、責任範囲が曖昧、結果が見えない——そういった構造的な問題を放置したまま管理を重ねても、問題の本質は変わらない。

これは、トヨタ生産方式の根本的な発想だ。問題を管理でカバーするのではなく、問題が起きない構造をつくる。


人がやっている、ということを忘れない

最後に、もう一つ大事なことを。

現場で動いているのは、人間だ。

人が判断し、気づき、動く。その力を信じれば、「管理」に頼らなくて済む場面は、思った以上に多い。

システムやデータの話をする前に、まず問いかけてほしい。

「この管理、そもそも無くせないか?」

その一問が、現場を大きく変えるきっかけになる。


現場改善の進め方について、個別にご相談されたい方はinfo@koujou-kaizen.co.jpからどうぞ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です