生成AIで工場は儲かるのか?現場視点で考える活用のリアル
工場改善サービス株式会社 代表取締役の田代です。
弊社は、製造業の現場で「儲ける5S(※)」支援をしています。
※整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字Sから。
ムダがわかる工場をつくり、もうけること。
取り組んだ会社は、赤字から黒字転換しています。
さて今回は、最近何かと話題の「生成AI」。
ChatGPTやCopilotなど、名前は聞くけど、「製造業の現場に関係あるの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
私は、もともとメーカーの技術者でした。
今でこそ「社長より先に作業着を汚すコンサルタント」として改善支援していますが、前職ではCAD、データ処理、業務効率化システム導入など、それなりにデジタル人材なのです。
(20年前に、Linuxでサーバー立ち上げて遊んでました。数年前、ラズパイで自走ラジコンも作りました。)
そんな私の目から見て、「生成AIは現場でどう活かせるのか?」を、今日はお伝えします。
こんな方にぜひ
- 生成AIは使っているけど、本業にどう使う?
- 他社の動きが気になる。
- 職場の生産性を上げたいけど、やり方がわからない。
- 今後の会社経営に不安をもっている。
「製造業のAI活用」の位置づけについて考える内容となっています。
最後には、セミナーの案内が受け取れる情報もお伝えします。
ぜひ最後まで読んでいってください

生成AIとは?
まずは、概要をPerplexity AIに聞いてみました。
生成AIとは、テキストや画像、音楽、動画など、新しいコンテンツを自動で作り出すことができるAI技術です。
従来のAIが決められた処理の自動化を目的としていたのに対し、生成AIはデータのパターンを学習し、オリジナルの内容を生み出す点が大きな特徴です。
「生成AI」で有名なものでは、ChatGPT、Gemini、Copilotなど。
いま世間では、生成AIを「報告書の作成」や「資料づくり」「調べ物」「プログラミング補助」など、主にバックオフィス業務の効率化に活用されています。
もちろん書類作成が楽になったり、欲しい情報に素早くたどり着けることはメリットがあります。
しかし、それで会社が儲かるか?というと・・・。
生成AIを使って、大儲けしたという製造業は聞いたことがありません。
工場の利益が劇的に上がるか?と聞かれると――私は、もうちょっと時間が必要かな?と思っています。
弊社での生成AI活用事例
私たちは、「儲ける5S」を通じて、現場の本丸(コア業務)を改善して利益を出すことを目的に支援しています。
だから、儲けに直結しない“部分最適”――例えば、個々の機械の能力UPや、帳票の見た目の整理だけのような部分最適の改善は、推進しません。
この視点から見ても、「生成AIで直接儲けさせることは難しい」というのが、現時点での実感です。
(もちろん進化が激しいですし、私自身も常に応用を試しています。)
ですが、生成AIは“伝える力”を補強するには最適なツールです。
・・・・
弊社が推進している【儲ける5S】は、
- 設備を止める
- 多能工を進める
- 置場を制限する
- あえてゆっくり作る
など、常識と逆行するような考え方も多く、初見では理解されづらいこともしばしば。
そのため、私はSNSやブログなどで何度も価値観をお伝えしています。
そんな中、生成AIは
- わかりづらい用語の言い換え
- 図解やイラストのラフ作成
- 読者目線で構成を練り直す作業
など、「伝わるための仕掛けづくり」にとても役立っています。
これが、弊社での活用事例です。
気をつけたいのは、“やってる感”
今、生成AIはどこでも話題になっていて、「うちも使ってみよう」と経営者が指示するケースも増えています。
部下の方が一生懸命調べて、活用例を出して、ツールを試して…
社内に「AIやってます感」が出てくるかもしれません。
でも、大事なのはそこではありません。
その業務、本当に必要ですか?
その仕事、ムダじゃありませんか?
生成AIはあくまで「効率化ツール」です。
ムダな仕事を効率化しても、そもそもなくしてしまった方が儲かることもあります。
だから、私はこうお伝えしたいのです。
AIを入れる前に、“儲かる構造”にする方が先です。

もしかしたら、もともと不要な仕事かもしれない。意思決定でなくせる仕事かもしれない。
残念ながら、本丸を攻める以外に儲ける方法はありません。
同じ工数であれば、そちらにかけることをおすすめしています。
儲ける5Sの効果
生成AIはムダ取りの補助輪です。
本丸を改善するには、ぜひ儲ける5Sに取り組んでください。
経営者のみなさんが取り組めば、それに反応するように従業員の方も生き生きと動き出します。
ぜひ事例を見て、興味をもっていただきたいと思います。
儲ける5Sのオンラインセミナーを月2回ほど実施しています。
興味ある方は、ぜひメルマガ受信してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。