その食品ロス、本当に避けられませんか?

こんにちは。
工場改善サービス株式会社の田代です。

今回は、食品工場で実際に行った改善事例と、
そこから見えてきた 食品ロスの本質 についてお話しします。


和菓子工場での改善事例

和菓子にきな粉をまぶし、冷凍する工程です。

  • 2人の作業者が、機械から出てきた和菓子にきな粉をまぶす(イメージ図参照)
  • もう1人が、まぶした和菓子を並べるトレイを用意する

一見、よくある作業です。

しかし現場に立って観察すると、
2人の作業者は交代で 機械の出口を見つめ続けて いました。

2秒に1回、出てくる和菓子を拾う。
ただし、そのたびに 0.5秒ほどの見えない手待ち が生まれている。

出口に立ち、
次に落ちてくる和菓子を目で追いながら、
「まだか」と手を構える──
そんな動きが、延々と繰り返されていました。


作業の“待ち方”を変える

そこで、作業の考え方をこう変えました。

出口で待つのではなく、
きな粉の中に 10個溜まってから 作業してください。

2秒に1回ですから、10個溜まると 約5秒 の時間が生まれます。
その5秒で、トレイの準備をしてもらいました。

見えないムダをまとめます

結果として、

  • これまで 3人分 かかっていた作業が
  • 2人で回る工程 に変わりました

以上が改善事例です。


食品工場で感じる、拭えない違和感

最近、食品工場へ改善の相談で伺う機会が増えています。
そのたびに、同じ違和感を覚えます。

食品工場で作業している方の多くは、パートさんです。
家では家事を担い、
米粒一粒も無駄にしない 暮らしをしている人たちです。

家ではきっと丁寧な暮らし

その彼女たちが、
工場に入った瞬間、
食材を捨て、床に落とすことに躊躇がなくなる。

これは個人の意識の問題ではありません。


人と機械の主従が逆転している

原因は明確です。

機械が主で、人が従になっている。

  • 機械のペースに人が合わせる
  • 追いつくために人が走る
  • 間に合わなければ、廃棄する

こうして、
食べ物は「食べ物」ではなく
流れを止めないための調整弁 になります。

本来は逆であるべきです。

  • 人が間に合わなければ、機械が止まる
  • 後工程がいっぱいになれば、機械が止まる
  • 作業者が「止めたい」と判断したら、止まる

止まらない機械は、
人にムダを押し付けます。
そのムダが、最後に 食品ロス として現れます。


止めない方が安い、は本当か

食品機械に欠けているのは、技術ではありません。
思想 です。

原価計算上は、
止めない方が安く見えるのかもしれません。

しかし、その計算に
人のやりがい は含まれているでしょうか。

これは経営思想の違いです。

  • 人を「機械の一部」と見るのか
  • 人を「付加価値を生む存在」と見るのか

その差が、
機械を止める・止めない判断に現れます。


食の豊かさと、働く人のやりがい

私自身、食品工場で作業した経験があります。
あの 機械に追われる逼迫感 は、強烈でした。

心を込めて作る──
その言葉から、最も遠い場所にあるのが
今の食品機械なのかもしれません。

食の豊かさ。
働く人のやりがい。

これを取り戻すために、
まだまだ研究すべき余地があると感じています。


あなたの工場では、
人と機械、どちらが主役でしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です