【改善事例】イカが床に落ちなくなって、儲かった事例
水産加工 | 大阪 |35億
社長の悩み
材料費の高騰が続く中、上昇し続ける人件費比率。
現場は「人が足りない」と訴えるが、本当に適正人員なのか——確信が持てないまま焦りだけが募る状況。
「プロの目で一度、現場を見てほしい」
それが最初の依頼。
弊社が目指した姿
依頼は「適正人員がわからない」というシンプルなものだった。
しかし目指したのは、単なる人員削減ではない。
改善活動を会社に根付かせ、自分たちで考え続ける組織をつくること。
そのために、誰もが「なるほど」と納得できる、わかりやすい改善事例をまず一つ作ることから始めた。
現場を見て、気づいたこと
現場に入って最初に感じたこと。
「人の使い方が、雑だ」
典型的な食品工場のパターン。大量に・早く作り、完成品を冷凍在庫として倉庫に積み上げる。
コンベアをフル稼働させ、大勢の作業者で一気に生産するスタイル。

問題の本質は「人が足りない」ことではなく、「作り方そのものの非効率」。
目指すべきは、売れる分だけ作る生産スタイルへの転換。
ロットを小さくしてコンベアを短くすることで、在庫削減と適正人員の両立が可能と判断。
工夫したポイント
食品工場にありがちな考え方——「今日は何個作れたか」「できるだけ多く作ろう」。
この発想そのものを変えることが、最大のポイントだった。
「必要数を決める」→「サイクルタイム※を決める」→「必要人員が決まる」
※サイクルタイム=稼働時間/必要数 1個作るのに何分何秒かけてよいか?という指標
このシンプルな順番で考えることで、適正人員は自然と導き出された。
人を減らしたのではなく、必要な数に整えたという感覚に近い。
実施した改善
いきなり工場全体を変えるのではなく、まず1つのモデルラインで結果を出すところから着手。
現場が変化を受け入れやすくするための、最初の一手。
モデルラインは、「イカそうめんの冷凍ライン」に決定。
3名の改善メンバーと実施した。
改善前の作業
前半の「イカ投入」と後半の「再計量+だしパック搭載」の2チームによる分業。
- イカをコンベアに投入 2名
- 投入されたイカを再計量し、だしパック搭載 6名
- コンベア長 8m

改善後の作業
一人が「イカ投入+再計量+だしパック搭載」を全て完結させる作業。
- イカ計量〜だしパック搭載の一連作業 6名
- コンベア長 6m

改善効果
- 省人2名 年間400万円
- 活スペース 6m2
これに加えて
イカが床に落ちなくなった
という思わぬ効果がありました。
これは、人中心の作業に変えたため、作業者の焦りがなくなったため。
歩留まりが2%向上。年間200万円。
合計 606万円/年

社長の声
自分たちでやってみることの大切さを実感しました。
コンベアを短くしたことで作業スペースに余裕が生まれ、同時に2つのラインを走らせる可能性も見えてきました。
清掃範囲も減り、現場がシンプルになっていくのを感じています。
まだまだやれることはある。引き続き取り組んでいきたいと思います。
まとめ
「人が足りない」という現場の声は、必ずしも正しくない。
作り方を変えれば、人は足りるようになる。在庫も減る。現場の雰囲気も変わる。
現場の方にも喜んでいただいた改善でした。


