「自動化で、自分の首を締めていませんか?」― 人手不足時代に必要な“本当の自動化”とは ―
工場改善サービスの田代です。
最近、どこの工場に行っても聞く言葉があります。
「人が足りないから、自動化したい」
確かに、
・繰り返し作業をロボットに置き換えたい
・職人の属人作業を標準化したい
そういう想いは理解できます。
でも、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。
目次
■ そもそも“自動化”とは何か?
多くの会社が考えている自動化とは、
今ある作業を、機械に置き換えること
ではないでしょうか。
- 運ぶ
- 掴む
- 並べる
- ネジを締める
これをロボットに置き換える。
確かに人は減ります。
では、ここで質問です。
■ それで「付加価値」は増えていますか?
答えは、ほとんどの場合「NO」です。
なぜなら、
・作っている製品は同じ
・売値も同じ
・顧客への価値も同じ
だからです。
変わるのは、
人件費という固定費が下がることだけ。
■ 平均生産性は上がる。でも…
ここが誤解されやすいところです。
ロボットを入れると、
・関わる人数が減る
・一人当たりの生産性は上がる
つまり「平均生産性」は上がります。
しかし。
会社全体の総付加価値は増えていない。
ということは――
国全体で見れば、実質賃金は上がらない
という構造になります。
■ なぜ実質賃金が上がらないのか
賃金は何から払われるか?
それは「付加価値」です。
付加価値が増えないまま、
人数だけ減らせば、
- 会社は楽になる
- 数字は一時的に良く見える
でも、
社会全体としては
生み出す価値の総量が増えていない
つまり、
パイは大きくなっていない
だから、賃金は本質的には上がらない。
これが、
日本が長年苦しんでいる構造と同じです。
■ 本当の自動化とは何か?
自動化の本質は、
「人を減らすこと」ではありません。
本来あるべき姿は、
自動化によって“人がより高付加価値な仕事をする”こと
です。
例えば:
- 改善活動に時間を使う
- 新商品の開発に関わる
- 顧客提案を高度化する
- 不良ゼロを追求する
つまり、
ロボットが人を“置き換える”のではなく
ロボットが人を“進化させる”
これが本来の自動化です。
■ 安易な自動化は、未来の自分を苦しめる
人を減らすだけの自動化は、
- 付加価値は増えない
- 賃金は上がらない
- 技術も蓄積しない
結果として、
自分たちの首を、自分たちで締める
ことになります。
■ 問いかけ
あなたの会社の自動化は、
- 「人を減らすため」ですか?
- それとも「価値を増やすため」ですか?
この問いを持つだけで、
自動化の設計はまったく変わります。

