「やる気が足りない」という思い込み
工場改善サービスの田代です。
先日、あるセミナーで、こんな質問をいただきました。「どうしたら、人は動くんでしょうか」。
これは事務職だろうと現場だろうと、根っこは同じだと私は思っています。人が言われなくても勝手に動き出すときには、共通項があるのです。
一人で、どんどん良くしていった女性
先日も、ある現場でこんなことがありました。ある作業を改善したところ、そこから自分でどんどん作業を良くしていく女性が現れたのです。
その方は、一人で作業をしていました。私が「こうやったら、もっと良くなりますよ」と一言伝えると、そこから先は、次々と自分で工夫を重ねていった。誰に言われるでもなく、です。
いろいろな現場を見てきて、私は「人が動き出す条件」は、この3つに整理できると考えています。
人が動き出す、3つの要素
1つ目は、権限があること。
自分の作業を、誰かにいちいち聞かなくても、自分で変えていい。この「変えていいんだ」という感覚が、人が動き出す土台になります。
2つ目は、問題が分かっていること。
権限があっても、何が課題なのか見えていなければ動けません。「ここをこうすれば良くなるな」という問題意識が持てること。これが2つ目です。
3つ目は、良くなると期待できること。
やったら、どう良くなるのか。それが見えていること。手応えが予想できるから、人は一歩を踏み出します。
権限・問題意識・期待。この3つが揃ったとき、人は勝手に動き始めるのです。
現場では、こう仕込む
では現場では、具体的に何をすればいいのか。方向性は3つです。
まず、その人の作業内容を増やす。
分業でこま切れにするのではなく、一人でできるだけ工程を担い、完成品まで持っていく方向に改善する。すると、その一連の作業に対して「自分で変えていい」という権限が、自然と本人に宿ります。
次に、余分な仕掛かりを取る。
まわりに中途半端な仕掛かり品が積まれていると、何に向き合うべきかがぼやけます。仕掛かりを減らすと、本当に向き合うべき問題が、自ずと見えてくるのです。
最後に、自分の働きが会社の利益にどうつながるかが、見える仕組みをつくる。
自分の作業が、どう評価され、会社の利益にどう貢献しているのか。それが見えると、「良くすれば会社が儲かり、めぐって自分の給料も上がる」と予想できる。だから、人は動くのです。
この「現場で給料が見える仕組み」については、資料をご用意しています。ご関心があれば、メールでお問い合わせいただいた方に、しっかりお配りします。ぜひご連絡ください。
動かないと感じたら、この3つで点検を
事務職でも現場でも、「どうもうちの人は動かないな」と感じることがあるはずです。
そんなときは、叱る前に、この3つで点検してみてください。その人に、変えていい権限はあるか。向き合うべき問題は見えているか。良くなる期待は持てているか。
たいていの「動かない」は、やる気の問題ではありません。この3つのどれかが、欠けているだけなのです。
あなたの現場の人は、今日この3つが、揃っていたでしょうか。
